安全センサ
安全センサは機能別に3種類ある
無人の車両ロボットを運用する際に、障害物や人にぶつからないようにするための安全対策として装備されるのが「安全センサ」です。安全センサは、人の視覚や聴覚、触覚と同じように、障害物を検知して自分との距離を測ったり、接触したことを察知したりします。安全センサには、機能別に「レーザスキャナ」「カメラ」「近接センサ」があります。
レーザスキャナはレーザビームを使う
レーザスキャナは、送信機でレーザビームを送って目標物に当て、反射したレーザビームを受信機で受け取って距離を測る装置です。周波数をほぼ一定にそろえたレーザビームの光は一点に収束されるので、高い精度で測定できます。レーザスキャナは中距離の障害物の検出に適しており、振動の影響を受けないなどの長所がありますが、ホコリや雨の影響を受けやすいなどの短所もあります。
カメラは「肉眼」のように映像としてとらえる
カメラは、私たちの肉眼のように障害物や背景を映像としてとらえ、それが何であるかの判断はAI(人工知能)が行います。距離を測るには、カメラの高さや傾斜角度などの要素を計算するキャリブレーション(標準器)を用いたり、そもそも奥行きを測れるステレオビジョンカメラを用います。カメラは中・遠距離の障害物の検出に適しており、防水性・防塵性が高いなどの長所がありますが、精度がレーザよりも劣るなどの短所もあります。
接近や接触を検知する近接センサ
近接センサは、障害物の接近や、実際に接触したことを検知します。近接センサには「超音波センサ」や「接触センサ」があります。超音波センサは超音波を発信して跳ね返ってきたエコーを受信するもので、接触センサは物理的な接触を検知します。一方、金属物体を磁場で検知する「誘導型近接センサ」も開発されています。近接センサは近距離の障害物の検出に適しており、比較的低コストなどの長所がある反面、特別な取り付け具が必要などの短所もあります。
数種類のセンサとの組み合わせが大切!
レーザスキャナ、カメラ、近接センサには、それぞれ適した検知距離があります。また、それぞれ長所と短所があるので、車両ロボットに装備するときには、数種類のセンサを組み合わせて使用することが大切です。