ドローン
ドローンの基本を知ろう!
ドローンは「無人航空機(UAV:Unmaned Aerial [またはAir] Vehicle)」の一種で、人が遠隔操縦する無人の飛行体です。いろいろな形状のドローンがありますが、農業用ドローンではプロペラで揚力を発生させるヘリコプター(回転翼機)のようなタイプが多く使われます。プロペラが増えるほど電力が必要となる反面、空中での安定性が良くなるというメリットがあります。操縦するには「プロポ」と呼ばれる送信機を使います。
農業用ドローンは、どう活用されている?
農業用ドローンは、「農薬散布」「追肥散布」「播種(種まき)」「受粉」「農産物などの運搬」「圃場センシング」「鳥獣被害対策」の7分野で活用されます(農林水産省農産局技術普及課「令和2年年度 農業分野におけるドローンの活用状況」より)。なかでも「農薬散布」は今までは無人ヘリなどが使われてきましたが、低コストで操縦技術の習得に時間がかからないドローンの活用が広まっている分野です。「追肥散布」では作物や土壌の状況に合わせて自動追肥を行います。「播種」や「受粉」も人に代わって行うので省力化が期待されています。「圃場センシング」は作物の生育状況や病害虫の発生、土壌の栄養状態などをドローンを使って測定・評価し、「鳥獣被害対策」では害獣の個体数調査のほか音やライトを用いた害獣への警告・威嚇などに活用されます。
現在の農業用ドローンの機能と特徴
現在の農業用ドローンの機能や特徴としては、十分な搭載量があること、ある程度の飛行速度があること、障害物を検知したり高度を維持したりするためのセンサーを備えていることなどがあげられます。この他、ある程度自律して飛行できるモードや、飛行中のふらつきの自動補正など、運用を容易にするための補助機能も必要となります。
将来の農業用ドローンで期待される機能
将来のドローンに期待される機能は、以下のようなものです。
●完全な自律飛行による効率化:センサーなどのデータにもとづく正確なルートでの飛行。
●より高い安全性・信頼性:故障した時の対策としてシステムを2系統以上とするなど。
●さらなる長時間飛行と搭載量の増加。
●情報面での機能向上:圃場の情報の正確な把握、クラウドの利用による圃場データの柔軟な活用、他のデータとの連携・統合など。
●悪天候でも飛行できる全天候性
ドローンを活用するために知っておくべき法整備
ドローンは飛行体なので、航空法の下で運用されなければなりません。2022年に改正された航空法では、主に以下のようにされています。 ①機体情報の登録制度:所有者や機体情報を登録し、機体にICチップを付ける。 ②機体認証制度:一定の分類に区分されたドローンに対する厳格な検査と証明。 ③技能証明制度:ドローンの操縦に免許が必要。一等級と二等級がある。 ④運行管理ルール:飛行計画の事前の通知や飛行日誌の作成、飛行後の報告などのルール化。